着工開始 第11話 ランドリールームの拡張
工事契約後3か月経過。
土地にまだ変化(着工)は見られません。
着工までの時間が空くほどに、
「建ち始まれば一生変更できない」
「今ならまだ変更できる」
不安と欲がぐるぐる回ります笑。
ぐーさん(妻)「(ぼそっ)…ランドリールーム、やっぱり狭すぎないかな汗」
僕(…と、虎が起きたでえ…汗)
1.ランドリールームの広さ確認
当初は【182cm×216cm】でした。
浴室よりも広く、スロップシンク設置や、多少の衣類・洗濯用品なら置けそうな期待もありました。
(イメージ/画像拝借)
しかし、減額調整の最終手段「減築」において、ゾノ先生のバランスにより特に縮小したランドリールーム涙。
減築後は【182cm×160cm】(△30%)です。
なんとなくですが、「180cm」未満になると途端に狭い気がします。
(1帖の幅、自分の手を広げた幅等、最小単位の一つに近い感覚。)
かといって、今更また間取り修正に立ち戻ることは現実的ではありません。
2.拡張案(1)北壁をサッシ化
カヤマ常務「思い切って一方の壁を全面サッシにするのはいかがでしょう?【壁】の厚み→【ガラス】の厚みの差分…20cm程度は広くなるかも。」
【壁の厚み24cm】
【壁をガラスへ変更したイメージ】
広くなるだけでなく、
明るくなり、さらに南一面の日光で洗濯物が乾きやすくなりそう。
一石三鳥ぐらいの良案でしたが、
「浴室からバスコートを眺める」視点に立つと…
・その向こう側に洗濯物が見えると雰囲気が出ない
・バスコートの照明設置が限定される
等の理由から採用に至らせられませんでした。
3.拡張案(2)外壁を内壁化
カヤマ常務「更に微差しか改善されない案ですが、【外壁】から【内壁】仕様に落とすと、壁を薄くはできます。」
【外壁なら24cm→内壁なら15cm】
壁が9cm薄くなる=ランドリールームが9cm広がる。
カヤマ常務「バスコート=屋外ということで【外壁】仕様でした。でもここは居室ではないので、断熱材等を入れない【内壁】扱いにしてもある程度大丈夫でしょう。」
わずか9cm広くなるだけとはいえ、現実的な良案をいただきました。
4.広さの再現シミュレーション
ぐー「…あ、あのー、みんな数字だけで、しかもわずか数cm変えながらお話されていますけど、今どれぐらいの広さなのか全然ピンときません汗。」
「そ、そうですよね汗。えーと…例えば、ここからここまでのイメージで…。」
打ち合わせスタジオのカーペットやスツールを目印に配置して、総動員でぐーさん(妻)のために広さを再現してくださる皆様。
(イメージ/画像拝借)
シミュレーションいただいたかいもあり、
物干し竿が2列並べられるなら贅沢は言えないねぐらいの安心を得て、
拡張案(2)で進めることになりました。
今日の一曲:NO MOON/D.A.N
着工開始 第10話 地鎮祭 ~穿初(うがちぞめ)をキメよう~
「地鎮祭」の話。
1.プロジェクト始動
地鎮祭どころか間取りさえ決まっていないずっと以前から、
「いつか地鎮祭の日が来たら、”アレ”を上手くできるか心配やね…汗」
と夫婦で密かに盛り上がっていたプロジェクトがありました。
”アレ”とは、「穿初(うがちぞめ)の儀」。
「鍬(くわ)入れの儀」の中の②です。
①「刈初(かりぞめ)の儀」:設計者/鎌
②「穿初(うがちぞめ)の儀」:施主/鍬(くわ)
③「鎮物埋納(しずめものまいのう)の儀」:神主/埋納品
④「鋤取(すきとり)の儀」:工務店/鋤(すき)
(イメージ/画像拝借)
各儀式のストーリー的には、
①で盛砂に立てた草を鎌で刈る=整地
②で盛砂に鍬(くわ)を入れて掘る=基礎工事
③で盛砂に物を納める=土地を鎮める
④で盛砂に鋤(すき)で砂をかける=③を埋める
のイメージでしょうか。
穿初(うがちぞめ)をキメるための、特訓の日々が始まりました笑。
2.特訓の日々
地鎮祭は、工務店社長、棟梁、建築家、神主、両親等が一堂に会する意味でも非日常な状況。
その状況下でキメる自信がないのは、鍬を入れる動作よりも、むしろあの掛け声(エイッ、エイッ、エイッ)。
プロジェクトチーム(=夫婦)で協議した結果、とにかく言い慣れる(日常化する)という対策案を採用。
テレビを観ている時、運転している時、会話している時、ぐーさん(妻)からの突然の球出しに、一瞬で反応していく特訓(茶番)。
ぐー(妻)「ウマくん?今日の晩御飯、何にす…”えいっ”」
「(汗)…えいっ、えいーっ。」
ぐー(妻)「まだ反応が遅いし、あと照れも抜けてないよっ。」
また、照れない工夫として、栄える「栄(えい)」のイメージをもつと言いやすい、という話も聞きます。
僕「”栄(えい)”も良いけど…ちょっとキレイすぎるかな。」
ぐー(妻)(き、急になんかイキり出したで…汗)
僕「家を建てる漢(おとこ)なら、魚人空手の百枚瓦正拳みたいな鍬入れでいきたいなと…。」
(イメージ)
そして、地鎮祭の日を迎えました。
3.地鎮祭当日
2017年12月18日(月)朝9:00。
「大安」と引き換えに、年休を取っての平日朝イチです汗。
(1)鍬入れの儀
①「刈初(かりぞめ)の儀」
鎌を持ったゾノ先生が、盛砂に立つ草を刈る場面。
ゾノ先生「栄ッ、栄ッ、栄ッッ。」
さすが場数を踏まれていて変な照れもなく、施主のための儀礼を堂々と全うするプロの所作。
②「穿初(うがちぞめ)の儀」
僕(施主)は鍬を手に、盛砂の前に立ちました。
長きにわたった全ての特訓はこの瞬間のために。
どっくん どっくん …
僕「え…えひっ(照)、えいっ、えいー…(照)。」
ぐー(妻)(…じ、実力の半分も出てないよウマくん…涙)
ぐーさん(妻)の方を見ると、
まるで茂田選手のセコンドにつく新日本ジム会長のように悲痛でした笑。
(2) 神酒拝戴(しんしゅはいたい)
地鎮祭の締め括り。
神様にお供えしたお酒を、一人ずつの升(ます)に注ぎます。
ここで、工務店社長と建築家(ゾノ先生)からご挨拶をいただきました。
ゾノ先生「こちら(の土地)は海が見えることをはじめ土地自体のポテンシャルが高いので、社長が今言われたとおり、正直私(建築家)の力はそこまで必要なくても、良い家は建つと思います笑。」
ゾノ先生「またumiieの間取り図を一見すると、土地に対して少し特殊な配置や形状のお家のように心配されるご親族の方もいらっしゃるかもしれません。」
ゾノ先生「ただ、デザインとは課題開拓とその本質的解決であり、施主のウマ様達が10年後、20年後を描く中でたくさんの不安や課題も伺い、それらをデザイン(解決)した姿がumiieですので、ここから良い家が建つと思っていただければと思います。乾杯。」
…し、しぶいっ。
自分たちは大手ハウスメーカーで建てたこともあって、umiieのここまでの工程や間取り等に少なからず心配していた両親も、ゾノ先生の言葉に感心していました。
結局、穿ち初め(鍬入れ)をキメれず、ゾノ先生にキメられただけの地鎮祭でした笑。
着工開始 第09話 西荻窪の金物(金具)
工事契約後2か月経過。
土地にまだ変化(着工)は見られません。
確か伊礼智先生の著書だった気がしますが、
師匠の教えで「手に触れる金物(金具)の質は落とすな」みたいな一節があったような…
そんなことを思い出しながらの変更です。
1.キッチンのタオルハンガー
実はそもそも、タオルハンガー自体、無くてもいいぐらいでは…?
というレベルで考えてしまっていました笑。
なんとなく、濡れ湿ったタオルに体が触れるのを避けるため、シンクから離れて立っていると、今度は腰が痛くなるイメージで…汗
ぐーさん(妻)「いや、タオルバーは普通に要ります汗」
①変更前:ekrea Parts
設計事務所からの造作キッチン設計図に提案されているのは、ハウジングパーツメーカー「ekurea Parts」のタオルバー。
引用 ekurea Parts
この品(「30-6111」)の良い点:
・キッチン本体(黒色)に馴染む
・幅652mmなのでタオルが広げて掛けられる
ですが…ちょっと太径で男前過ぎるかも?汗
②変更後:ひぐらし古具店
キッチン本体の框(かまち)扉と馴染むようなタオルバーが他にもあればと、探してみます。
独身時代に1年間だけ住んでいた町、杉並区の荻窪。
その思い出もあってか、西荻窪に佇む「ひぐらし古具店」様が目に留まりました。
引用 ひぐらし古具店
男前になりがちなアイアン金具ですが、華奢でレトロな空気感が好みです。
増額変更にならない点も含め、こちらに変更(施主支給)させていただくことにしました。
2.トイレットペーパーホルダー
僕(あれ?そーいえば、トイレットペーパーホルダーって、図面上、仕様(メーカー・品番等)が見当たらないけど、どんな品なんだろう…?」
①変更前:設計事務所オリジナル
コウセイさん(設計事務所)「ふふふ…ウマさん、勝手ながらウチの事務所がデザインしたオリジナルホルダーです。」
僕「えっ、凄いですね。ちなみにどんな感じの品でしょうか?」
(類似イメージ)
引用 KAWAJUN
自分たち素人では「シンプル」という浅い表現しかできませんが、
さすが建築家がデザインした、無駄なライン・厚み・部材は排除されているのに、機能性は高いことが分かる、素敵なホルダーでした。
コウセイさん「ささやかではありますが、設計事務所から無料贈呈させていただいています。ウチが設計させていただいたクライアント様とひっそり分かる目印みたいにもなって、面白いかなと笑。」
今思い返すと、品の素敵さといいご縁といい、このホルダーを取り付けない理由がありません。
なのにこの時の僕といえば…汗
僕「本当に素敵でありがたいんですが、umiieのトイレは、カッコいいホルダーでは逆にもったいないというか、質素でレトロな感じでもいいかなと…m(__)m」
コウセイさん「そ、そうですか…汗」(がっくり)
②変更後:ひぐらし古具店
そして気づけば、いつか夫婦で聴いていたandymoriの一節が流れていました。
西荻窪 アパートの階段を上る音
そう、いっそここも「ひぐらし古具店」様のシリーズで揃えてみることにします。
引用 ひぐらし古具店
3.結論
「手に触れる金物(金具)の質は落とすな」
伊礼智先生(とその師匠)からの金言を軽んじたかのような変更をしてしまった僕をお許しください…笑。
今日の一曲:ベースマン/andymori
着工開始 第08話 ドアノブの機能性を落とす
工事契約後2か月経過。
土地にまだ変化(着工)は見られません。
室内ドアの「ドアノブ」について、再考しておきます。
1.室内ドアの全体イメージ
umiie全体で、合計5つの室内ドア(開き扉)です。
(引き戸より開き戸を希望した記事↓) guuma.hatenablog.com
(框/モールディングを希望した記事↓)
2.ドアノブの形状候補
大きく2つの形状に分類します。
①レバー式
(イメージ)
【メリット】
両手がふさがっている時でも、体重を引っかけて開けられる便利なイメージです笑。
②握り玉
(イメージ)
【デメリット】
・手がふさがっていれば開けるのは不便(←手を空けなさいって笑)
・吊り革なみにしっかり握って開閉するため、特にトイレ扉等、こまめな除菌が望ましそう。
③握り玉を選択
機能的なメリット・デメリットを軸にすると、圧倒的に①レバー式の方が良いんでしょう。
実際、メーカー製品の展開もレバー式が多数のような気がします。
しかし…
握り玉(ドアノブ)を回して開く扉の、まるでコッツウォルズ地方のマナーハウスに泊まるかのような、ノスタルジーな空気感も大切にしたいです。
(イメージ)
3.ドアノブの材質(色味)
①真鍮(しんちゅう)
参考までに、真鍮は、銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金。
「黄銅(こうどう、おうどう)」とも呼ばれるように、ざっくりの素人イメージだとゴールド(金色)と思ってよさそうです。
引用:THE NORDROOM
コウセイさん(設計事務所)「真鍮もカッコいいと思いますよ。」
と真鍮を提案・推していただきましたが、
umiieはもう少しシック/レトロなイメージがよくて、真鍮はちょっとカッコよすぎる気もします。
②ニッケル(メッキ)/クローム(メッキ)
「メッキ」と付くように、どちらも金属の皮膜(仕上げ)処理。
素人がざっくりのイメージで、シルバー(銀色)と思ってよさそうです。
ニッケル:やや黄・白色がかったシルバー
クローム:水道蛇口のような青白いシルバー
(ニッケルメッキのイメージ)
引用:Home Bunch
クロームよりはニッケルの方が、シックで僕たちの好み。
そのニッケルメッキにさらに、艶消し・マットな「サテン(satin)」仕上げを加えたいです。
(サテンニッケルのイメージ)
引用:school house
4.表示錠は不採用
コウセイさん(設計事務所)からは、利便性の観点から「表示錠」を提案いただいていました。
主にトイレ扉にあり得る、鍵をかけた時に「空室/使用中」が分かるようなドアノブです。
(イメージ)
僕(大家族でもないから笑、使用中かどうか大体分かりそうだし…。さらに「赤色と青色」で遠目からでも分かるように…って、そこまで便利じゃなくていいから、アナログな雰囲気の扉を優先したいかな笑。)
以上のように機能性を落としたため、あまり便利とはいえないドアノブ/扉になりそうです汗。
今日の一曲:夏のドキドキ/never young beach
着工開始 第07話 キッチン水栓:「MINTA」からの脱却
工事契約後2か月経過。
土地にまだ変化(着工)は見られません。
今のうちに、キッチン水栓は本当に現案のままで良いのか、再考しておきます。
1.再考の前提:キッチン水栓の位置
階段を上って一番手前の視界に入る位置が、キッチン水栓。
ある意味、2階の「顔」という捉え方もできるのかもしれません。
水栓の雰囲気によって、LDKの印象が若干左右されそうです。
2.再考したい要因:現案はGROHEの「MINTA」
1年以上前のファーストプランから提案いただいたまま、変わっていません。
GROHEの「MINTA(ミンタ)」(ラウンドタイプ)。
引用 GROHE Japan
「MINTA」の何が不満で、この段階で別の水栓を検討するのか。
…実は、不満などありません笑。
これ以上ないほど王道と思われるデザイン、
ドイツで生み出される品質と機能美、
減額調整にも耐えたお手頃な価格(10万円以下)。
GROHE社のフラッグシップ…いや、それどころか世の中の全てのキッチン水栓の一つの到達点、それが「MINTA」じゃないでしょうか笑。
だからこそ、今のここまで「これ(MINTA)で十分すぎる」と、キッチン水栓について半分意識がなかったこと。
それが、再考の理由です。
3. キッチン水栓の好みを整理しよう
①スプリング式はどうか?
(スプリング式のイメージ)
引用 Hits
海外の雰囲気が強いという点には惹かれます。
ただし、モダンな豪邸にこそ似合いそう。
実際、ハイエンドのものが多いイメージです。
上記画像も、水栓ブランド最高峰の一角、DORN BRACHT(ドンブラハ)社。
モデル「TARA ULTRA」、お値段軽く30万円超…!汗
僕(そ、そんな「CHA-LA HEAD-CHA-LA」みたいなモデル名で…汗)
②クラシカルなデザインのタイプはどうか?
クラシカルといえば、やはり「KOHLER(コーラー)」社。
(イメージ)
引用 KOHLER
水栓自体はもちろん素敵ですが、ただ何か引っかかります…汗。
おそらく、琺瑯のシンクやタイル等、キッチン全体までクラシカル(レトロ)でこそKOHLER水栓の真骨頂なんでしょう。
umiieのキッチンは、ステンレス天板、スクエアシンク等。
クラシカルな水栓がハマるかは難しいのかもしれません。
③スクエアデザインはどうか?
北欧好きなので、Denmark製、Arne Jacobsenデザインという夢のような「vola(ボラ)」社の水栓に未練はあります。
引用 Hits
ただ…
スパウトが小さいので、料理や皿洗いのやりやすさはどうなのか?
ヘッド引き出し・シャワー機能は…あるのか?
その不安の割には価格も少し厳しめ(10万円以上)。
④流線形のフォルムはどうか?
「MINTA」の王道フォルムからいったん離れる、一つのパターン。
例えば、アメリカの「BRIZO(ブリゾ)」ブランドとか。
(イメージ)
引用 Rockies
僕(…「ミギー」っぽいのがちょっと苦手かも汗)
⑤クローム(銀色)以外の色はどうか?
夫婦(umiieのキッチン本体が黒いから、「MINTA」のようなクロームより、マットブラックな水栓も雰囲気が出そうな気がしてきたね…)
(イメージ)
引用 RUE DAILY
4.再考結果:「MINTA」からの脱却
・マットブラック色の展開もある
・ある程度スパウト(サイズ)が大きい方が良い
・ヘッド引き出し構造は必要
・GROHE(MINTA)の超王道からは少し外したい
・あまり高価なモデルは無理(10万円以内程度)
整理した希望を叶えてくれる、アメリカDELTA社の「Trinsic(トリンシック)」へ変更することになりました。
引用 Rockies
今日の一曲:Drama/Erika de casier
着工開始 第06話 却下される「目透かし框」仕上げ
工事契約後2か月経過。
土地にまだ変化(着工)は見られません。
この日の打ち合わせは、
ぐーさん(妻)が当初から希望している「框(かまち)/モールディング」が論点となりました。
※ 框(モールディング)の希望を整理した過去記事↓
1.現行は「目透かし框(かまち)仕上げ」
コウセイさん(設計事務所)「奥様のご要望があった箇所は全て「框(かまち)」を採り入れてます。」
カヤマ常務(工務店)「「目透かし框」という仕上げですね。」
框①:キッチン本体
框②:洗面台
框③:各室の扉(計5枚)
僕「框デザインによるクラッシックな雰囲気は図面から伝わってきます。」
(あとは妻が大丈夫であれば…汗。)
2.「目透かし框」への妻のジャッジ
ぐー「その「メスカシカマチ」って、実際にはどんなデザインですか?」
カヤマ常務「パネルとパネルの間を1~2cmあけて貼り合わせて、その隙間のような凹のラインで表現する框ですね。」
(イメージ)
引用 DAIKEN
ぐー「あの、じゃあすみませんが…わたしの希望する「框」は、「目透かし框」仕上げではないです。」
僕「で…出てしまった。妻の、框へのニッチな愛が…汗。」
しばしばこの空気になるとき、僕は「妖怪かまち」が出た(妻が憑りつかれた)と言っています笑。
(イメージ)
建築だけに「ぬりかべ」的な…笑。
恐怖ポイント①:
もっと全般的にこだわりがあり、細かいタイプの奥様なら分かります。
ぐーさんは、間取り(導線の良さ、収納の多さ)等にはほとんど意見・異議を唱えないのに、このニッチな一点集中で詰めてきます笑。
恐怖ポイント②:
他の件(IH等)同様、今回もぐーさんは「代わりにどんな框・デザインがOKか」正解は分からないものの、「目透かし框ではない」ことだけははっきりと分かる、という絶妙のライン上にいます笑。
3.「目透かし」以外の框(かまち)案
カヤマ常務「えーと、では…例えばこんな感じの框だといかがですかね?(ドキドキ汗)」
(イメージ)
引用 Marktplaats
ぐー「うーん…いえ、すみません、これもちょっと好みじゃないです汗。」
カヤマ常務(がはっ…)
妻本人も分析しきれていない「何がNG要素か」を探った結果、
おそらく「突板の繋ぎ目」が無い方が良いということが分かりました。
(イメージ:左はOK/右はNG)
引用 MODELLO
僕(そ、そんなところに全然意識なかったよ…怖わっ汗)
4.好みのモールディング部材を見に行こう
僕「框(モールディング)って、てっきり彫刻作業のようなものかと思ってました。」
カヤマ常務「いえいえ汗、大抵はあくまで装飾部品を貼るイメージですよ。」
モールディング等の装飾建材といえば「みはし」社様。
大阪 ATC(アジア太平洋トレードセンター)内の「みはし」社製品展示ブースへ。
モールディング部材の現物を参照させていただきました。
引用 みはし株式会社
装飾が強いほど海外のラグジュアリーな雰囲気は出そうです。
(イメージ)
引用 MODEDAMOUR
ただあまり装飾が強すぎると、日本人の僕たちには住みこなせないんでしょう笑。
ある程度のシンプルさも大事そうです。
(イメージ)
引用 BOCA DO LOBO
カヤマ常務「大体理解できた…ような気がします笑。では一度サンプルを作ってみるのでお待ちくださいね。(ドキドキ)」
今日の一曲:Ollie/TOKYO RAVE GROUPIE
着工開始 第05話 ラナイの雨仕舞を巡る交渉
着工契約から2か月が経ちます。
土地に変化(着工)は見えません。
この日の打ち合わせは、ラナイ(ベランダ)について。
建築家(設計サイド)が描く図面と、工務店(施工サイド)の現実的な施工リスクとのズレが特に出た打ち合わせとなりました。
カヤマ常務「ウマさん、ラナイの雨仕舞について相談です。」
僕「ア、アマジマイ…ですか?」
(↑分かってない汗)
カヤマ常務「2階のラナイに大量の雨水が降り込んでも、溜まったり溢れたりして1階へ雨漏り等を引き起こさないようにする工夫、ですね。」
雨仕舞①:パラペット(低い立ち上がり)
カヤマ常務「工務店(施工サイド)としては、パラペットを立ち上げた方が良いと考えています。」
(イメージ)
出典 INMYROOM
夫婦「…え、ええ~汗。そんな今住んでる賃貸アパートのベランダみたいになるんですか汗。」
カヤマ常務「パラペットがないと、ラナイから1階(外壁)に水が溢れ落ちたりして、雨漏りのリスクが高くなりますよ。」
(イメージ/umiie断面図)
夫婦「い、いやーしかし…umiieはずっと、海への抜け感を損なわないように検討してきたつもりだったので、正直かなり抵抗がありますね…汗。」
(イメージ/これは抜け過ぎですが笑)
雨仕舞②:リビング(室内)とラナイの高低差
カヤマ常務「あと、設計図面ではリビング(室内)とラナイがフルフラットですね。これだとラナイからリビング(室内)に浸水するリスクも高くなります。」
(イメージ/umiie断面図)
コウセイさん(設計事務所)「・・・。」
カヤマ常務「なので、リビングからラナイに出る時には、階段1段分を下りる程度の、高低差を付けることが望ましいです。」
夫婦「えっ、いやいや…それも、いかにリビングとひと続きの半屋外空間、アウトドアリビングにできるかを考えてきたので、相当抵抗があります汗。」
カヤマ常務「うーん、では例えばデッキであればその下に排水空間を確保できるので、リビングとフルフラットでも大丈夫ですよ。」
(イメージ)
出典 Askanis
僕「いやー汗…リビングにデッキを足したような空間だけは避けたい検討をしてきたので…。リビングとラナイを連続させる優先度は相当高いです。」
(イメージ)
出典 Etsy
雨仕舞③: ラナイ排水溝の拡充
カヤマ常務「①②でデザインを優先する分のリスクを小さくするために、排水溝を相当大きく確保することも考えられます。」
カヤマ常務「例えば、ラナイの内周をぐるっと排水溝で囲めば、どんな水量でもほぼ確実に雨樋から排水できて安心ですよ。」
(イメージ)
夫婦「すみません…減築(減額調整)でラナイが一番小さくなってしまって、これ以上更に有効面積が減るのは、厳しいです…汗。」
ラナイ雨仕舞の結論
工務店(施工サイド)が施工のリスクを重視してくださるのは、確かに必要でありがたいことなのですが…。
これまで設計事務所と相当の時間・打ち合わせ(約1年半)を経てやっと出来た図面なので、
施主(僕たち)からすると正直、
「これまでの設計過程の中で整理されておくべき(今更)であるし、もし調整するにしてもそれは<設計事務所>と<工務店>の間でしていただけないと難しい」
という感じではあります汗。
調整の結果、
雨仕舞①:パラペット代替の排水溝を作る。
雨仕舞②:サッシ部材分だけ(2~3cm)ラナイのレベルを下げる。
雨仕舞③:わずかに勾配を付けて排水溝に流す。
という方法で納められることになりました。
今日の一曲:Bridges/Adam Baldych & Helge Lien Trio
第200話 手を出せなかった海外インテリア3選
「着工開始」編の途中ですが、本話は少し余談(脱線)にしたいと思います。
ひっそりと本話で「第200話」目の区切りだからです…笑。
ちなみに第100話は、いつか建つかもしれないumiieに置くインテリアを、夫婦でプレゼント交換した話でした。
umiie(家づくり)で迷ったときの夫婦のキーワードの1つは「海外かぶれ」。
特にぐーさん(妻)が、「外国っぽいからこっちの方がいい」などとこじらせた時には、通称「カブレラ」認定が下ります笑。
Alexander Alberto "Alex" Cabrera
そんな僕たち(特にぐーさん)が、「いくら海外っぽくてもさすがにちょっと…汗」とヒヨってumiieに採用しきれなかった、海外インテリア3選。
【第3位】3in1サニタリー
3in1、つまり「個室トイレじゃなく、洗面台横の便器」です汗。
(イメージ)
僕「インテリアとしてはこれ以上ない素敵さですが…」
ぐー「ひー、絶対イヤ(涙)」
一人暮らしのマンションや出張時のビジネスホテルでなら、僕はむしろユニットバス(3in1)の方が好きなぐらいです。
丸ごと水洗いできて清掃しやすいから。
しかし、umiieにおいてはむしろ、来客に「居酒屋かよ」と言われようとも
「扉→洗面台→扉→トイレ」ぐらい、音や匂いを隔離させようとしました。
【第2位】ペデスタルシンク
イメージとしては「一本脚」の洗面台でしょうか。
ペデスタルとは柱、彫刻、つぼなどを置く台座のことで、ローマ時代以後の古代建築では、柱を載せる石の台を指す。
引用:建築用語辞典
(「ペデスタル」イメージ)
(「ペデスタルシンク」イメージ)
引用:LIZ MARIE
くー、これぞ海外。
特に2ボウルが並んだこのクラシカルさは、カブレラ…もといぐーさん(妻)も大好物のはず。
興奮のあまり、山本元柳斎重國の名言が出てしまいます。
僕「流石に壮観なり…。どやっ、ぐーさん?」
ぐー「うん、まあイヤじゃないけど…そこまでトキメくわけでもないかな笑。」
僕(がっかり)
【第1位】ハンティングトロフィー
夫婦全会一致、断トツの1位がこちら。
狩猟した動物(頭部)の剥製を壁に飾っているアレです…。
<初級コース>
角(つの)だけぐらいなら、まだギリギリ「お洒落なインテリアの一部」としてとらえられるケースもあります。
<中級コース>
代表的な、「壁から頭部(首元)が生えてる」ようなパターン。
比較的怖くないはずの「鹿くん系」でもこの迫力。
引用:LAUREL HOME
僕「怖いし、可哀想やし、もう無理かも…汗。」
ぐー「そもそも、1mmもオシャレじゃないよ!涙」
(↑キレてる汗)
<上級コース>
トロフィーからの視線を浴びながらの晩餐会…。
引用:TIG CREATIVE
僕「う、うーん…(卒倒)」
ぐー「ぶくぶく…(失神)」
・・・
以上、僕たち程度の「海外かぶれ」には100年早かった、本当の海外インテリアでした。
(ハンティングトロフィー画像検索の後遺症で、まだ若干気分が悪いままです…笑)
今日の一曲:そこにあったから/MONO NO AWARE
着工開始 第04話 キッチン収納扉の開閉パターン(フロントセット)
土地の上に変化(着工)はまだありません。
キッチン本体(フロントセット)の扉4枚はどう開閉すればいいか、を検討しておきます。
【平面図】
【正面図】
1.制約①:ペニンシュラと壁
umiieのキッチンは、ペニンシュラ(英語で「半島」:片面が壁付け)。
正面から見て、右側が壁付けです。
(イメージ)
一番右(壁際)の扉は、右開きではないことだけ、なんとなくイメージできます。
【NG】
2.制約②:納まり「留め」
一番右(壁際)の扉が決まったので…
オーソドックスな一例は、こんな感じでしょうか。
設計事務所コウセイさん「いえウマさん、一番左の扉は<留(とめ)>で納めたいので、逆になります。」
<留(とめ)>とは・・・
部材が90度で接するときの隅角部の接合方法で、双方の小口を見せないで、45度に組む仕口。(「住宅建築専門用語辞典」より引用)
(<留>イメージ)
コウセイさん「2階に上がってきた人の目の前に、このキッチンの横顔が来ます。できるだけ<収納扉感>を消して、キッチンの<塊>のようにスッキリさせる趣旨です。」
僕「な、なるほどー。是非そっちでお願いします。」
3.統一感か、使い勝手か
両端の扉の向きが<左開き>に決まってきました。
あとは中央2枚の向きですが、「4枚全部同じ方向」に揃えるのも良いのかもしれません。
僕「うーん…いやここは、一度に探したり、出し入れできる面積を大きくとっておこうかな。」
中央の2面は、観音開きで一体的に使いやすいかなと。
ただし、気がかりもあります。
ぐー(妻)「開閉用の取っ手もない(プッシュラッチ式)から、どれがどう開くか絶対混乱しそう…汗。」
僕「ま、まあそこは頑張って覚えるしかない、ということで…笑。」
今日の一曲:ひずみ/HARUHI
着工開始 第03話 キッチン収納扉の開閉パターン(バックセット)
着工契約後、1か月ほど経つものの、土地の上に変化(着工)はまだありません。
引き続き、スタジオでの打ち合わせです。
バックセットの収納部分は、3枚の片開き収納扉。
【図面】
この3枚の各扉が「どっち向きに開くのが使いやすいのか?」を少し検討します。
そもそも「引き出し式」の方が、使い勝手や収納量は良かったのかもしれませんが…。
(イメージ)
①バックセット収納に最も干渉する要素
「食洗機の位置と開き方」の影響が相当大きい気がしました。
食洗機は、Miele25周年モデル (フロントオープン式)です。
(イメージ)
出典 miele
キッチン通路(フロントセットとバックセットの間)の幅は、一般的か少し狭いぐらいの「90cm」。
Mieleの扉がガバっと開けば、かなり通りにくい状態になります。
【図面】
②食洗機とバックセット収納の関係
そして食洗機がフルオープンになっている時とは、大体「食洗機からバックセット収納に食器を片付けたい時」でしょうか。
そうであれば、向かって一番右(食洗機正面)の扉は、食器「以外」の収納スペースにしておく方がよさそう。
冷蔵庫や調理スペースに隣り合う位置のため、「ゴミ箱」用のスペースを想定。
③食器片付けに特化した開閉パターン
「食器」収納が下図のような位置と扉開閉なら、食器片付けの効率はかなり上がりそうです。
【図面】
④料理中・食器手洗い中に適した開閉パターン
ただ、料理中や、(食洗機を使わない程度の)食器手洗い中等、食洗機が閉じている時の導線も当然重要です。
僕「③だと、開いた扉がシンクで立つ人に刺さってるし…汗」
【③再掲】
ぐー(妻)「刺さるかは図面のさじ加減のような気がするけど…笑」
感覚的な好みで「両開きで一斉に収納内が見渡せる」方がいいかなというイメージも加えて、下図のようにしたいと思います。
【図面】
今日の一曲:生まれてはじめて(For the First Time in Forever)/神田沙也加・松たか子