着工開始 第10話 地鎮祭 ~穿初(うがちぞめ)をキメよう~

 

地鎮祭」の話。

 

1.プロジェクト始動

 

地鎮祭どころか間取りさえ決まっていないずっと以前から、

 

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「いつか地鎮祭の日が来たら、”アレ”を上手くできるか心配やね…汗」

と夫婦で密かに盛り上がっていたプロジェクトがありました。

 

”アレ”とは、「穿初(うがちぞめ)の儀」。

 

「鍬(くわ)入れの儀」の中の②です。

①「刈初(かりぞめ)の儀」:設計者/鎌

②「穿初(うがちぞめ)の儀」:施主/鍬(くわ)

③「鎮物埋納(しずめものまいのう)の儀」:神主/埋納品

④「鋤取(すきとり)の儀」:工務店/鋤(すき)

 

(イメージ/画像拝借)

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各儀式のストーリー的には、

①で盛砂に立てた草を鎌で刈る=整地

②で盛砂に鍬(くわ)を入れて掘る=基礎工事

③で盛砂に物を納める=土地を鎮める

④で盛砂に鋤(すき)で砂をかける=③を埋める

のイメージでしょうか。

 

穿初(うがちぞめ)をキメるための、特訓の日々が始まりました笑。

 

 

2.特訓の日々

 

地鎮祭は、工務店社長、棟梁、建築家、神主、両親等が一堂に会する意味でも非日常な状況。

その状況下でキメる自信がないのは、鍬を入れる動作よりも、むしろあの掛け声(エイッ、エイッ、エイッ)。

 

プロジェクトチーム(=夫婦)で協議した結果、とにかく言い慣れる(日常化する)という対策案を採用。

テレビを観ている時、運転している時、会話している時、ぐーさん(妻)からの突然の球出しに、一瞬で反応していく特訓(茶番)。

 

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ぐー(妻)「ウマくん?今日の晩御飯、何にす…”えいっ”」

 

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「(汗)…えいっ、えいーっ。」

 

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ぐー(妻)「まだ反応が遅いし、あと照れも抜けてないよっ。」

 

 

また、照れない工夫として、栄える「栄(えい)」のイメージをもつと言いやすい、という話も聞きます。

 

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僕「”栄(えい)”も良いけど…ちょっとキレイすぎるかな。」

 

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ぐー(妻)(き、急になんかイキり出したで…汗)

 

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僕「家を建てる漢(おとこ)なら、魚人空手の百枚瓦正拳みたいな鍬入れでいきたいなと…。」

 

(イメージ)

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©尾田栄一郎集英社

 

 

そして、地鎮祭の日を迎えました。

 

 

3.地鎮祭当日

 

2017年12月18日(月)朝9:00。

「大安」と引き換えに、年休を取っての平日朝イチです汗。

 

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(1)鍬入れの儀

 

①「刈初(かりぞめ)の儀」

 

鎌を持ったゾノ先生が、盛砂に立つ草を刈る場面。

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ゾノ先生「栄ッ、栄ッ、栄ッッ。」

さすが場数を踏まれていて変な照れもなく、施主のための儀礼を堂々と全うするプロの所作。

 

②「穿初(うがちぞめ)の儀」

 

僕(施主)は鍬を手に、盛砂の前に立ちました。

長きにわたった全ての特訓はこの瞬間のために。

 

どっくん どっくん …

 

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僕「え…えひっ(照)、えいっ、えいー…(照)。」

 

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ぐー(妻)(…じ、実力の半分も出てないよウマくん…涙)

 

ぐーさん(妻)の方を見ると、

まるで茂田選手のセコンドにつく新日本ジム会長のように悲痛でした笑。

 

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©森川ジョージ講談社

 

 

(2) 神酒拝戴(しんしゅはいたい)

 

地鎮祭の締め括り。

神様にお供えしたお酒を、一人ずつの升(ます)に注ぎます。

 

ここで、工務店社長と建築家(ゾノ先生)からご挨拶をいただきました。

 

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ゾノ先生「こちら(の土地)は海が見えることをはじめ土地自体のポテンシャルが高いので、社長が今言われたとおり、正直私(建築家)の力はそこまで必要なくても、良い家は建つと思います笑。」

 

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ゾノ先生「またumiieの間取り図を一見すると、土地に対して少し特殊な配置や形状のお家のように心配されるご親族の方もいらっしゃるかもしれません。」

 

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ゾノ先生「ただ、デザインとは課題開拓とその本質的解決であり、施主のウマ様達が10年後、20年後を描く中でたくさんの不安や課題も伺い、それらをデザイン(解決)した姿がumiieですので、ここから良い家が建つと思っていただければと思います。乾杯。」

 

…し、しぶいっ。

 

自分たちは大手ハウスメーカーで建てたこともあって、umiieのここまでの工程や間取り等に少なからず心配していた両親も、ゾノ先生の言葉に感心していました。

 

結局、穿ち初め(鍬入れ)をキメれず、ゾノ先生にキメられただけの地鎮祭でした笑。

 

 

 

追悼の一曲:ドラゴンクエスト序曲/すぎやまこういち