VE≠減額調整 第39話 最終手段:減築(2)平屋のumiie
「減築を考えていく」方向となったその場で、ゾノ先生が早速、減築イメージの一例を提案してくださりました。
ゾノ先生「単純な即興案で、安易かもしれませんが、例えば…2階(LDK)を地上に降ろします。」
(イメージ)
ゾノ先生「つまり「平屋」にすることで、「階段室」が丸ごと不要(減築)となります。」
(イメージ)
ゾノ先生「大雑把な案で恐縮ですが、居住空間(LDK等)は縮小させずに減築(減額)が可能ではあります。」
ちなみにその減額効果(簡単な計算上)は、
坪単価約90万円×階段室約3.5坪=約300万円(!)
最も負担が大きい導線とされる「階段」が無くなっても、困るどころか、むしろ一般的に上質とされる「平屋」になるということです。
【Before】
【After】
とりあえず思いつきの第一案なのに、大胆な再構築かつ、価値の維持(むしろ向上)を両立する案、さすがです。
単なる減額ではなく、まさにVE(バリューエンジニアリング)です。
しかし…
素人なりに引っかかる点がないわけではありません。
①「1階」LDKになる点
umiieは下図「土地②」の位置。
道路や「土地①」に対して、1階LDKではプライベート感がかなり落ちてしまいます。
また、umiie側からも、土地①と道路という「海以外」の景観・情報が多く見えることになります。
(「1階」LDKイメージ)
(「2階」LDKイメージ)
出典 DGTRF
②「umiie」の本質
umiieの今の形は、施主の想いと土地の魅力・制約という課題を解決するための「デザイン」、素人が大げさに言えば「機能美」を、ゾノ先生が彫刻のように彫り出してくださり、現れた形というイメージです。
だから、
「今回の減築案は、たった階段室が無くなるだけ、他の全ては一緒のまま。むしろ平屋という特典もある。」
それはそのはずなのに、何故かそれはもう「umiie」ではないような気がして、僕はこの案で進めたいと返事ができませんでした。
昨日の一曲:Young Folks/Peter Bjorn & John
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