umitochi購入編 第06話 旗の代わりに羊を

 

(「umitochi購入編」最終話です)

 

 

2016年12月27日(火)

 

土地の決済日。 

この日は、2人とも仕事を午後半休とって、大柴銀行へ集合。

銀行には加藤(甥)と、行政書士のほっしゃん先生も集まっていました。

 

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応接室の外で。

 

ルー支店長代理「(ひそひそ)ウマさん、ほっしゃん先生にお支払する28万円も忘れずに合わせて口座に準備しておいてくださいね。」

ウマ「あ、はい…そうなんですね。」

 

ルー支店長代理「結構あるんですよ。行政書士に支払う分忘れてて、その場でもう一度資金準備で待たせるのは(銀行としても)格好悪いですから。」

ウマ「なるほど、分かりました。」

 

・加藤不動産宛分(土地代金)

・保証会社宛分(保証料、調査管理手数料)

・ほっしゃん行政書士宛分(抵当権設定の報酬等)

 

 

よしよしこれで大丈夫と思いながら待っていると、

少し開いたドアの隙間からルー支店長代理の呼ぶ声が。

ルー「…ウマさん、ちょっとよろしいですか汗」

 

再び応接室の外へ。

ルー「(ひそひそ)…すみません、あと印紙代20,000円が必要なの忘れてました!追加で手続きお願いします!汗」

結局、スマートな支払いができませんでした笑。

 

 

決済を待つ間、応接室で雑談。

一時的ですが何故か話の流れで、ルー、加藤(甥)さん、ほっしゃん達が「あそこのホテルはちょっと料金高くて…」みたいな若干アダルトな話に。

ぐーさんはやっぱり少しイヤに違いありません。

 

ガタン

僕は立ち上がり、

「こいつはオレが守るって決めたんでー。」

とB-BOY風にオヤジ達を指導…は勿論できませんでした笑。

 

 

そうこうしていると、無事住宅ローンから、各種代金が全額振り込まれました。

買ってしまった…。

 

 

そのまま夜は、ぐーさんの誕生日祝いのコースディナーを堪能。

浮かれた2人は「umitochiに旗立てに行こう!(嘘)」

と車を走らせました。

 

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少し雨が降る、夜のumitochiに到着。

ぐーさんに誕生日プレゼントを渡しました。

ぐー「大きいし、まあまあ重い!?笑」

 

女性だと抱えきれないぐらい大きい袋です。

インテリアショップでよくぐーさんが可愛がっていた、エストニア産の羊のスツール「エマ」

エマ君に、umitochiを見守ってほしいと思います。

 

 

あと何日かで今年も終わるから

ユニコーンの曲が車内に流れていました。

 

 

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(仲良しなエマとムニ)

 

 

 

umitochi購入の一曲:雪が降る町/ユニコーン

 

umitochi購入編 第05話 住宅ローン決定

2016年11月某日

 

今、赤字覚悟の住宅ローンを売っているらしいという噂の大柴銀行(仮称)に、僕たちは足を踏み入れました。

 

ルー支店長代理「ウマ様、この度は当行の住宅ローンを検討いただけるということでお越しいただき、誠にありがとうございます。」

 

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ルー支店長代理から、ローンの説明をいただきます。

ウマ「やっぱり、非常にやんちゃ…もとい、素晴らしいローンだと思います。」

 

ルー「ではウマさん、私たちのローンで家づくり、トゥギャザーしましょう。」

ウマ「はい。ただ、御相談があります(ドキドキ)…。」

 

ルー「なんでしょう?」

ウマ「(ドキドキ…)2つの条件について、もし、もう少しだけ便宜を図っていただけるのであれば、今日決めてもいいと思っています。」

 

 

これまでの人生、中古車を買うときも、タイのナイトマーケットでも、

ケチと思われたくなくて笑、

それまでせっかくにこやかに商談していた店員さんの曇る顔を見たくなくてビビってしまい、

値切る交渉をしたことがありません。

 

しかし、今回だけは桁が違います。

そして僕だけのお金ではありません。

ぐーさんや、更に未来の家族へ繋がるお金まで背負っています。

 

 

ルー「便宜…と、言いますと…汗?(すっとぼけ)」

ウマ「具体的には、

①1.2%の利率をもう少し…(下がらないでしょうか)

②保証料(僕たちがローン返済できなくなった場合に大柴銀行へ立て替えてくれる保証会社の代行料)約100万円は、僕たち2人の勤務形態なら「不要」でも、貴行のリスクはそれほど高くない…のでは。」

 

 

ルー「(ぐっ…汗)…。」

 

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ルー「…ウマさん…そのような情報、ウェアー(どこ)で…?」

ウマ「(う…えーと…汗)ローンもやはり、高額な金融「商品」である以上、売り手が調整できる部分というか、そういう概念もあるのかなと思っただけです…。」

 

ルー「例えば①は、今の1.2%でも既に赤字覚悟なんです。相場は0.01%でも結構大きい違いなので、1.20%→1.19%等ということでしょうか?」

ウマ「…できれば、1.2%→X.X%とか…。」

ルー「…(白目)…。」

 

ルー「…支店長に相談してくるので、少しウェイト(お待ち)ください。」

(ふらふら)

 

 

10分後。

ルー支店長代理が再入室。

ルー「大変お待たせしました。」

(ふらふら)

 

ウマ(ドキドキ…)

ルー「…①②のどちらか一方だけは対応させていただきます(ぎりっ…汗)。」

ウマ「大変感謝します、ではえーと…①でお願いします。」

 

 

ルー「大げさじゃなく、本当に特別ですから。もしこの条件を他言されて、別の方が来られても、本当に対応できませんので。」

ウマ「承知しています。」

 

ルー「仮に他銀行様が、後出しで更に良い条件出して来ても、そこはもう当行のままでお約束をいただけますか。」

ウマ「さすがにそこは礼を尽くします。」

 

ルー「とほほ…支店長に合わせるフェイス(顔)がありませんが、気を取り直してそれでは…」

 

ルー・ウマ・ぐーさん「トゥギャザー(契約)しましょう!」

 

 

 

 

今日の一曲:Remember me/くるり

 

 

 

umiie on the wedding cake

 

2017年10月21日(土)

ぐーさんとの結婚式を挙げました。

 

 

家づくりと結婚式準備、両方の大詰めが重なった10月は、予想以上にハードでした。

2人ともテレビも点けない日々が続きました。

 

家づくりをいったん休止も検討しました。

でも、既に予定より大幅に遅れていて、一か月でも早くumiieに住みたかったんです。

 

 

本来の予定では、結婚式前にちょうどumiieが完成。

結婚式のゲストに早速泊まってもらえたりしないかなという、小さな夢も膨らんでいました。

 

現実は、この11月中にはやっと工事請負契約を締結できそう、という進捗。

ゾノ先生に依頼(設計契約締結)したのが、去年の11月。

 

…この丸1年間、延々、設計段階という苦行でした笑。

ちなみに、僕たちが、こだわり抜いて、プランを何度もひっくり返したり、仕様や材を調べこんでいた訳でもありません。

 

いつかの小栗さんの言葉が、エコーで聴こえてきます。

「ウマさん、事前に一点だけ了承いただきたいのですが、ゾノ先生は…時間にルーズです。」

「ルーズです」

「ルーズです」…

 

 

結婚式は、当初2人とも「親族だけで」と考えていました。

でも小規模ながら友人にも来ていただくことに変更。

 

結果、本当に良い一日をいただきました。

こんな素晴らしい日をみんな何年も前に味わってたのか、ずるいと笑。

 

 

プランナーさんからウェディングケーキに何か乗せたいものあるか聞かれて、

umiieをお願いしてみました。

 

あと、愛猫のムニも笑。

(今好きなものを単純に詰め合わせるという、怪しいセンス汗)

 

 

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ピロティーや横滑り出し連窓まで再現していただき、感謝です。

ムニも強引に乗せてもらったせいで、ダサかわなケーキに笑。

 

 

2人とも、ムニと一緒にumiieで暮らせる日を待っています。

(待ってますよゾノ先生っ(笑)) 

 

 

ケーキドリップの一曲:サファイアの星/東京スカパラダイスオーケストラ feat. CHARA

 

 

umitochi購入編 第04話 やんちゃな住宅ローン

 

加藤不動産に手付金30万円を支払ったものの、まだ安心できません。

「手付倍返し」、つまり60万円さえ支払えば、加藤不動産は一方的に僕たちとの契約を解除できます。

土地の「次の希望者」が60万円以上高くても買うからと言えば、加藤不動産はそちらに売るかもしれません。

 

それを防ぐには、早く土地代480万円を支払ってしまわないと。

速やかに住宅ローン(家+土地)を組んで支払うことにしました。

 

 

約5000商品あると言われる住宅ローン。

 

「人生で一番高い買い物は、実は家ではありません。住宅ローンです。」

(3,000万円の家が、選ぶ住宅ローン次第で支払3,500万円で済んだり支払4,000万円にもなったりするんですよウマさん。)

Si社ゴンさんの名言です笑。

 

今、自分たちにベストな住宅ローンは…分かりません笑。

 

 

久しぶりにあの人を召喚する時です。

いでよ、MDRTの斎藤さん。

 

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※「MDRT」(Million Dollar Round Table)とは、

保険業界において1年間に契約して得た保険手数料が1,000万円以上の「業界のトップセールスマンの集まり」の会員。

 

 

ウマ「建築家とこんな細長い家を建てることになったので、フラット35に申込できないような家になりそうです…。」

 

齋藤さん「フラット35は「国が」好きな家というだけです。今回は「ウマさん達が」好きな家を建てるというだけの違いです。いいじゃないですか。」

 

 

ウマ「で、どの住宅ローンがベストかよく分からなくて…。」

齋藤さん「そうですね…今なら、大柴銀行(仮称)が期間限定キャンペーンしているこの商品、相当条件良いですよ。」

 

 

大柴銀行は、僕たちの地元(徳島県)の銀行ではなく、近隣県の地銀です。

 

「35年間金利固定型」で、金利1.2%。

ベースの金利はなかなかの安さのようです。

 

そして団信(団体信用生命保険)は、

・死亡・高度障害

・3大疾病(がん、脳卒中心筋梗塞

・就業不能の病気やケガ

の全てをカバー。

 

他銀行ならこの団信分で金利+0.3%とかのところを、

大柴銀行のキャンペーンは「+0%」サービス。

 

 

齋藤さん「ここまでして大丈夫なのか逆に大柴銀行の心配したいぐらいです。」

2人「そんなにですか笑。」

齋藤さん「ええ、大柴銀行さん、正直これ…やんちゃしてます。」

 

 

住宅ローンは、決まりで良さそうです笑。

 

 

 

今夜は、先週地元に来てくれたサックスの巨匠ルータバキンを。

今日の一曲:The Wise One/Lew Tabackin Trio

 

 

umitochi購入編 第03話 契約書締結

 

僕たちがのんびりし過ぎたせいでumitochiの値段は、 

400万円(坪単価5万円)から480万円(坪単価6万円)に上がってしまいました涙。

 

アカギが到着するまでカモられていた南郷さんばりの動揺です。

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家づくり全体(数千万円)の規模から見ると許容範囲かもしれません。

ですが日常の感覚で「80万円」は安くありません。

車の買い替えや、2人で海外旅行できる大金です。

 

でも、そもそも「2人ともが好きな土地が480万円」と考えると、十分ありがたい話(良心的な価格)です。

加藤不動産も、2か月以上も待ってくれて、正式な売り出し価格に戻しただけ。

 

これ以上口約束と信用だけで引き延ばすのは、後悔のモトです。

更に価格を上げられるか、明日にでも次の希望者にふっと譲られても文句は言えません。

 

 

2016年9月25日(日) 

加藤不動産へ手付金30万円を持参。

 

この時はまだ、ゾノプランを見ただけの時期です。

どの会社に依頼するか、そもそも本当にumitochiに建てる家がベストなのか、迷っている段階。

 

だから「手付金」の性質上、仮にumitochiをキャンセルする場合(確率20%ぐらい)は、30万円を放棄することは覚悟していました。

 

(後日契約書を締結するので、厳密には「手付金」ではなく「申込金」なのかもしれませんが…)

 

申込金:契約前に支払う「仮押さえしてもらうための意思表示」

手付金:契約時に支払う「契約を一方的にでも解約したい時のための負担金」

 

 

2016年11月20日(日)

加藤不動産と「不動産売買契約書」の締結日。

いつもどおり、薄暗くて1~2人だけの、緊張感のある事務所。

 

加藤社長「はじめましてウマさん、この度はありがとうございますっ。」

ラフな加藤さん(甥)とは違い、さすが社長。

恰幅のいいスーツ、営業スマイル、柔らかい物腰です。

 

加藤さん(甥)が若手時代の「狂犬」加藤浩次なら、

社長はまさに『スッキリ!」の加藤浩次

 

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ただ、笑顔と物腰の奥には、なんというか…

僕の甘ちゃん人生には一切縁がなかったような、「お金をめぐっての死線」をくぐりぬけてきたオーラが漂っています。

 

…だから、怖いって!笑 

(ビビりすぎ)

 

 

 

今日の一曲:サムライソウル/片平里菜(originaled by ウルフルズ

 

umitochi購入編 第02話 長考のツケ

 

umitochiと出会ったその日の電話。

加藤さん「(坪単価)6万円で売り出していますが、買っていただけるなら5万円で結構です。」

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交渉なしで、80坪×5万円=400万円…なんて素敵なんでしょう。

でもやっぱり、家プランを固めてからでないと、即決はできません。

加藤さん「ええ、そこはゆっくりお家をご検討くださいね。」

 

 

加藤さんの優しさに甘えて、それから約4か月間も、複数の家プラン(と会社)を検討させていただきました。

そしてゾノ先生のゾノプランに決断。

 

ところが…

 

ウマ「長い間待っていただきありがとうございました。umitochi、400万円で是非購入させていただければと思います。」

加藤さん「…それなんですけどねウマさん。」

2人「…?」

 

加藤さん「すみませんが今はもう、坪単価6万円でしか売れません。」

2人「ええっ!汗」

 

加藤さん「ちょうど他のお客様からも問い合わせがあって「もっと高値でもいいから売ってほしい」って言われたんですよ。」

2人「そ、そうなんですか。」

 

加藤さん「ウマさんが一応先約だったんで、高値の方にそのまま売る話にはしていませんが、社長ともそういう話なのでご理解ください。」

 

他の問い合わせがこのタイミングで、本当にあったのかは分かりません。

ただ、電話越しの加藤さんの毅然とした口調から、もうここから値下げの交渉は難しそうなことが分かります。

 

加藤さんの配慮に流されずに、手付金(土地の10~20%=40~80万円ぐらい?)を払っておけばよかったのかもしれません。

いやでも、もしゾノプランに会えなかったら、その手付金と一緒にumitochiを放棄してたかも…。

 

 

利根川先生の檄(げき)が、突き刺さってきました。

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(出典『賭博黙示録カイジ』)

 

 

 

今日の一曲:Fruit Paradise/The Would-Be-Goods

 

umitochi購入編 第01話 加藤一族

 

海沿いの土地「umitochi」(勝手にそう呼んでいるだけ)と出会った2016年07月から、数社並行で家づくりの打ち合わせが本格的に進んできました。

 

「umitochi」は、歩いてコンビニに行けるような立地の便利さはありませんが、海沿いのロケーション、綺麗に分譲された80坪で、坪単価たった6万円(笑)。

 

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このumitochiに出会ったその場で早速、売主である「加藤不動産」(仮称)に、購入を検討したい第一報をまず電話で相談。

 

2人「…ただ「前の家」が後から建つ(=海への眺望がどうなるか分からない)リスクがあるので、今すぐではなく、慎重に購入したいんです…。」

加藤さん「そこは不安ですよね。家のプランや施工会社が決まるまで、ウマさんたちの仮予約でおさえておきますよ。」

 

土地を仮押さえできる(悩める)期間って、通常1~2週間ぐらいのイメージでした。

それを、家のプランが固まるまで(数か月間?)、しかも予約金も手付金も不要のまま待ってくださるとのこと。

 

加藤さんは、加藤社長の甥っ子らしいですが、電話越しの声や丁寧さから察するに60代ぐらいの高齢の方?

加藤さん「他のお客様から問い合わせきたら、ウマさんに連絡するようにしますね。」

2人「ありがとうございますっ。」

 

 

その後、お言葉に甘えてumitochi仮予約状態のまま、しばらく数社との家づくりの打ち合わせを重ねていきます。

一度、挨拶と進捗報告のため、加藤不動産を直接訪れることに。

 

 

加藤さん「はじめましてウマさん、家づくりは順調ですか?」

 

想像より遥かに若く、30代?

酒ヤケで潰れたそのしゃがれた声質に、60代と錯覚していたようです。

 

「狂犬」と呼ばれた、若手時代の加藤浩次のような鋭い眼光。

ラフなカットソー姿、腕には注射後のガーゼ。

(体調を崩して点滴を打った日なんです、きっとそうです…。)

 

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(イメージ)

 

…怖いわ!笑

 

 

 

 

今日の一曲:Peace/andymori

 

ゾノプランの間取り

 

ゾノプランの間取り(内部)をご紹介します。

(図面右側が「海」です。)

 

 

【1F】                                    

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ピロティの中に玄関と屋外倉庫があります。

雨の日は、出入りや、いったん車をピロティで停めて荷物の出し入れが便利そう。

 

ゾノ先生「小さくてもいいので、空が見えて風が吹き抜ける、自邸で露天風呂の感覚を毎日味わってほしい。」

と、他のゾノ先生の設計にも必ずといっていいほど組み込まれるらしい「バスコート」。

 

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(イメージ/画像拝借)

そして9割方、減額調整の中で施主から不採用にされるとのこと笑。

 

でも僕は、独身時代は1人でよく銭湯行ってたし、

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世界で一番北にある露天風呂「ミーバトンネイチャーバス」にも入りに行ったぐらい結構お風呂好きな方なので、

スコートは是非最後まで残したいです…。

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2FのLDKだけでなく、1F寝室も海に向かって全面開口。

憧れの「LAKESIDE HOUSE」のようで素敵ですが…自宅だと落ち着かないから、もったいないけどここは閉じたい笑。

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(小川晋一設計事務所から拝借) 

 

 

【2F】

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海(図面右側)に向かったLDKは、もちろん希望以上のものです。

 

ただ、キッチン裏のトイレの位置だけは、絶対NG笑。

キッチン側の人はもちろん、トイレに入った人も落ち着かない、Lose-Loseだと思います汗。

 

ゾノ先生「2Fキッチン横にサービスバルコニーを付けて、更に中庭と繋がる屋外階段あれば、庭でBBQの時とかにいいと思いますよ。」

 

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(イメージ/画像拝借)

 

2人「素敵ですが…これは不要です。」(あっさり笑)

サービスバルコニーの生活感を消したいのと、

2Fキッチンから夜ふと外を見ると中庭階段登ってきた知らないおじさんが立ってる…みたいな恐怖感からです笑。

(どんな確率や)

 

 

今日の一曲:泣いたっていいじゃないか?/乃木坂46

 

2人はそれをumiieと呼ぶ

 
朝9時頃から珈琲を淹れはじめ、

渡辺篤史の建もの探訪』をのんびり観る土曜日の朝は笑、

2人にとって至福の時間の一つです。

 

 

 

2016年11月06日(日)

 

2人が訪れたのは、ASJのスタジオ。

今日の打ち合わせは、僕たちから小栗さんとゾノ先生に、家づくりの依頼先の答えを伝える回。

 

ゾノ先生は、広島の設計事務所から、スカイプで繋がっての陪席。

小栗さん「…検討の結果、いかがでしょうか?…」

 

 

ゾノプランは決してお手頃な価格ではなく、大手ハウスメーカーとそんなに変わらない概算見積額。

そのうえ、ハウスメーカー(Si社のジェイムソン所長)に見られたら笑われるぐらい、そのままでは標準的な(最低限の)耐震性・断熱性等です笑。

 

  

ゾノ先生の設計事務所「C社」のポリシーの1つに、

「その土地の住み手の声に耳を傾けることができれば、誰が設計しても、建てるべき家の答えはほぼ同じように一つである」

みたいなポリシーがあります。

 

何気なく謳っていますが、「設計者によってアプローチは様々」という逃げ道は作らず、「誰が考えてもそれ以上は無い「神の一手」を打ちます」とまで言っているようにも聞こえます。

 

多分本当はもっと凄いアプローチやデザインまで一度考えて、そこから僕たちのストライクゾーン内ギリギリまでベーシックに抑えてくれたんだろうなと、素人でも底の深さを感じるゾノプラン。

 

 

建もの探訪」で流れてくる小田和正の歌にもあるように、

ゾノ先生は僕たちの言葉と心の間の声を確かに聴いてくれていました。

 

 

小栗さん(…ドキドキ…)

 

2人「設計はゾノ先生に、施工はN社(小栗さん)に、お願いさせてもらいたいと思います。」

 

小栗さん「…ありがとうございます!…(パソコン画面の向こうの)ゾノ先生、聞いてくれましたかっ?」

 

ゾノ先生「…聞いてますよー、ありがとうございます。」

照れくさいのか、選ばれる自信があったのか、こちらに反応薄めのゾノ先生。

パソコンモニターの向こうで、下を向いて、何かをずっと書いています。

 

ゾノ先生「…できた。今スタジオにFAX送りましたー。」

スタジオのFAXに届いたのは、ゾノプランの外観スケッチでした。

 

2人(・・・)

 

それは、海沿いの土地「umitochi」を購入しても大丈夫なのか迷って、いろんな他社とも悩んできた4か月間の、答えのように見えます。

 

やっぱりこの建物を、

 

この建物こそを、

「umiie」と呼ぼうと2人は思いました。

 

 

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今日の一曲:between the word and the heart -言葉と心-/小田和正

 

「ASJ」編 第08話 「赤から」の乱

 

(「ASJ」編、最終話です。)

 

 

2016年09月10日(土)

 

ゾノ先生のファーストプラン(以下「ゾノプラン」)を持ち帰り、帰りの喫茶店でも図面を広げて興奮気味の2人(笑)。

 

もし仮に、予算や性能の面からこのプランでない家を建てる結果になったとしても、このプランに出会えて良かったと思えました。

 

【ゾノプランの模型】

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そして、それほど特別なプランだからこそ、僕とぐーさんの意見は珍しく対立し、家づくりで最初で最後と言ってもいい喧嘩が勃発しました笑。

 

 

その日僕は帰宅して、冷静にゾノプランとSi社(現在1位)を比較。

 

【Si社】

間取り   :★★★★☆

価格(推定):★★★★☆(★が多いほど良心的)

性能(推定):★★★☆☆

デザイン  :★★★★☆

 

【ゾノプラン】

間取り   :★★★★☆

価格(推定):★★☆☆☆

性能(推定):★☆☆☆☆

デザイン  :★★★★★

 

バランスや総合力は、正直Si社の方が良いような気がします。

自分でも素人なりに家の勉強をしながら、ゴンさんと何度も協議を重ねて辿り着いた最終形でもあるだけに、思い入れも加味されています。

 

でも、「こんな家に住んでみたい」と胸が躍るのはゾノプラン。

そこで、ゾノプランの「間取り」で一部改善したい部分(以下3点)を改善できれば、ゾノプランを勝たせられるかもと考えました。

(さじ加減(笑))

 

改善点①:アイランドキッチンじゃない

改善点②:2F(LDK)に収納が少な過ぎる

改善点③:海に「縦長」過ぎてやっぱりちょっともったいない笑

 

ゾノプランをベースに、実際に住む僕たちの生活スタイルに細かくチューニングした間取り案を、何個も何個も書いて検討してみます。

 

僕は、この先に、ついにSi社さえ超える2人のゴールがあるんじゃないかと信じていました。

 

 

しかし、それを見ていたぐーさんから、予想外の一言が。

ぐーさん「ウマくん…ゾノプランの改善検討、正直やめてほしい。」

 

ウマ「…えっ?汗」

 

ぐーさん「これだけ他とレベルが違うゾノプラン、私たちが素人の感覚でいじったら「下がる」だけだと思う。」

 

ウマ「…でも、ゾノプランがいくらカッコよくても、収納が少なすぎて荷物が溢れたり、導線も不便な部分があるよ。」

 

ぐーさん「多少不便でも、それは慣れるし、家に私たちが(荷物減らしたりとか)合わせればいいと思う。」

 

ぐーさん「ウマくんの中ではSi社のプランを採用したいから、ゾノプランの欠点をいろいろ挙げているように見える。」

 

ウマ「いや、むしろゾノプランを総合点でも上回らせるための検討ですって。」

 

 

いつもローソンの芋けんぴを幸せそうに食べながら、家づくりもお互い主張し過ぎないように一緒にのんびり楽しんできたぐーさんが、ここまで強く主張するなんて汗。

芋けんぴ関係ない)

 

いろんな会社とさんざん打ち合わせして、自分たちの要望を全部採り入れてもらったはずなのに、1位のSi社の最終形でさえ「違和感」を抱えるプランだったことに、ぐーさんはトラウマがあるみたいでした。

 

「実際に住む人の視点を盛り込んで使い勝手を向上させたい」と素人がゾノプランに手を加えることは、

僕にとっては「新車にカーナビ付ける」ような一般的な感覚でしたが、

ぐーさんにとっては「買ってきたヴィトンのバッグの持ち手を換えたりポケットを付ける」(しかも素人の材料と縫製で)のような感覚だったんだと思います。

 

いくら家はデザインだけでなく機能・性能が重要と分かっていても、ぐーさんにとってゾノプランは手を加えるべきではない「完成形」だったようです。

 

【Si社】(ぐーさん評価)

間取り   :★★★★☆

価格(推定):★★★★☆

性能(推定):★★★☆☆

デザイン  :★★☆☆☆

 

【ゾノプラン】(ぐーさん評価)

間取り   :★★★★☆

価格(推定):★★☆☆☆

性能(推定):★☆☆☆☆

デザイン  :★★★★★★★★★★

 

 

食べていた「赤から」鍋がカラカラに焦げ煮詰まるほど、夜遅くまで話し合いは難航。

想いをぶつけるあまり、相手の考え方を必要以上に否定してしまう発言も出たりして、家づくりという大きいテーマの対立だけに、3日間ものあいだ喧嘩(対立)は続きました。

 

 

そしてお互いの想いをやっと消化・理解し合えた頃、「どの会社に家を建ててもらうか」結論を出す日が訪れました。

 

 

今日の一曲:思い出のアルバム/曾我部恵一BAND