「Si社」編 第09話 ある違和感(ファサード)
間取り、デザイン、性能、価格…
数社を比較させていただいた中での総合1位は、Si社で間違いなさそうです。
それでも2人の中でもやもやが一切無いわけではありませんでした。
ある違和感の1つ目は、「ファサード」(建物の正面・顔の部分)。
Si社の最大の魅力の一つは、線や無駄を徹底的に洗練させた(特に正面からの)外観の美しさです。
(イメージ)
ヒラコさんのファーストプランももちろん、
設計担当のゴンさん、施主の僕たち2人とも、外観を気にしながら窓の大きさや位置等を決めてきました。
だから海と反対側(南側)の外観は、十分満足のシンプルさです。
【南側】
しかし、僕たちの家の「ファサード」(正面・顔)は、「北」側です。
下図のとおり、道路を通る人からは家の「北」側しか見えません。
しかし、「北」側は「海」を眺めることを優先する面のため、
どうしても大窓、ベランダ、浴室の窓、寝室の窓等、いろんな開口ラインが現れてしまっています。
【北側】
不満があるというほどではありませんが、
Si社(ヒラコさんデザイン)の家のファサードとしては、少し洗練さが足りていないのが残念です。
そういえばYじい自邸は、リバービューの大開口があっても、ファサードはシンプルでした。
何が違うんだろうと思い返すと、道路→家→その向こうに川(海)がある位置関係だったからだと気づきました。
(イメージ)
海側の大開口が道路から見て「裏」にあるので、道路からの「顔」(ファサード)は洗練されています。
でも、土地と海の位置関係は、今更言っても仕方ありません。
他社ももちろん、Si社でさえも、それはどうしようもないことだと、2人は消化することにしました。
今日の一曲:Waltzer/木太聡