「R社」編 第03話 ワンタッチの差

「ウマさんとぐーさんに海沿いでおすすめの土地ありますよー。」

いつかそんなことをR社長が言ってくれてたような気がします。

 

2016年7月17日(土)の朝、僕たちはumitochi(土地②)を見つけ、仮押さえをしました。

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土地購入こそまだですが、これでやっと建築会社に間取り提案してもらえる(少なくとも冷やかし客とは思われない)立場になったと言えるでしょう。

 

その日の夕方は、ちょうどR社と家づくり・土地探しの打ち合わせでした。

僕たちは早速R社長に、土地②を仮押さえしたことを報告。

 

R社長「えっ、…その土地ってもしや、海に向かって段々状の3区画の…!?」

2人「そうですそうです!」

 

R社長「以前、海沿いならおすすめの土地があるって僕言ってませんでしたか?…そこなんです!」

 

R社長「実は今日の打ち合わせは、今から車でその土地②を一緒に見に行こうと思ってたんですよ!」

 

R社長「あの土地②、ウマさん達にぴったりだなーって、私ずっと考えてたんですよねー!」

 

・・・

 

あ。

そうか。

なるほど。

 

R社長は「自分が土地②を紹介した」という流れを作らないといけないのか。

土地を一緒に探して見つければ、そのままその会社に建築依頼をするという、正統派の営業です。

 

R社長が、後付けで「土地②を紹介しようと思ってた」と言っていないのは分かりました。

何故なら、土地③はまさにR社が家を建てている最中だからです。

 

それだけにR社長からしたら、

今日僕たちが偶然自力で土地②さえ見つけていなければ、

本当に土地②を僕たちに紹介して気に入ってもらえ、

ほぼR社で建てる流れに持って行けたかもしれないのです。

 

これから最低数社とプランや見積もりを比較検討してから慎重に会社を選びたかった僕たちからすれば、逆に間一髪でした。

 

しかしさすが、R社長も次に切り替えます。

R社長「N不動産(土地の売主)との土地契約の交渉等は、よければ私が間に入りましょうか?値段や条件の交渉、土地にまつわる規制や注意点を、不動産のプロである私が確認しながら進めた方が、条件の良い契約ができると思います。」

 

確かにそれは、実際にそうだと思います。

しかし…

 

ウマ「せっかくですが、土地②は仮押さえの状態で、素人なりにでも自分たちで話をすすめたいと思います。さすがにまだR社に家づくりを決め打ちできる検討段階ではないので…」

 

流されやすい僕たち2人にしては、割とはっきり「(今は)NO」の意思を伝えてしまいました。

だって、一生に一回、数千万円の家づくりです。

まだ家づくり序盤も序盤の今、「勢い」「縁」だけでは決めたくありません。

 

いつもニコニコされている仔豚のようなR社長ですが、

さすがにショック・落胆の色を全面に出しています。

R社長「…ウマさん、家づくりも結婚と同じで、相手の点数も大事ですが、ご縁や流れも大切だと思いますよ…」

R社長のか細い営業にいたたまれせんでしたが、

心を鬼にして、

ウマ「R社で建てないわけではないので、よければまたプラン等ご提案よろしくお願いします。」

 

(とか言い切ったものの、これ以降、R社長がもし他の「海沿いで家建てたい」お客と会って、そのお客が土地②を即契約したら、もう僕たちは何もできないまま土地②を失う、というリスクはわずかですがつきまとっていました…笑)

 

 

今日の一曲:Wedding/トクマルシューゴ