「ASJ」編 第03話 建築家選び

 

小栗さん「ご希望の建築家がいれば、どなたか先生とヒアリングされてみますか?」

ウマ「先日の建築家展だと…ごっち先生が、施工事例も人柄も素敵と思いました。」

 

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(イメージ)

 

小栗さん「ごっち先生、人気なんですよね。去年の設計件数、日本一だったんですよ。」

2人「ええ!驚」

 

小栗さん「僕も、日本中の全住宅で一番好きな建物、実はごっち先生の作品なんですよ。」

2人「じゃあ…。」

 

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小栗さん「…でも。ウマさん達(の理想の家を建てる建築家)は、ごっち先生じゃない気がします。」

2人「あれ!?汗」

 

 

小栗さん「ウマさん達の好きなテイストって、例えばリビングの床モルタルがいいとか…カフェやホテルっぽいですよね。」

2人「確かに。」

小栗さん「それだと、「店舗」も多く手掛けてる先生の方が合ってるんじゃないかと。」

 

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既にごっち先生に惚れていたので、それでも若干食い下がる僕。

ウマ「うーん…でも、話しやすさや考え方も素敵だったし…。」

 

小栗さん「施主様自身が好きで選ばれた建築家先生は、意外と途中でチェンジになるケースも多いんですよね。」

2人「え、そうなんですか汗」

 

小栗さん「僕としては、広島県と遠いですが、ゾノ先生がウマさん達と相性良いのではと思っています。」

2人「あ、建築家展でも、設計事務所のブースはありましたね。先生は不在でしたが。」

 

小栗さん「実は、僕の自邸もゾノ先生に建ててもらったんです。」

2人「それは、説得力(安心感)ありますね。」

 

ゾノ先生の施工事例は、僕たちにはちょっとモダンかなとも思っていました。

 

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でも、せっかくなのでまずはスタジオマネージャーのマッチング力と勘を信じてみることに。

2人「じゃあ…ゾノ先生とヒアリングお願いしますっ。」

 

小栗さん「ゾノ先生は、「先生」っていうオーラもあまり出さずに、細かい話も聞いてくれるので良いんですが、あらかじめ了承いただきたい点が1点だけあります。」

2人「な、何でしょうか…?(ごくり)」

 

 

小栗さん「…時間にルーズです(笑)。」

 

 

今日の一曲:Waltz In August/ROCKETMAN

 

「ASJ」編 第02話 建築家展

 

2016年6月

 

「お待ちしていました、初めまして。」

 

県内にあるASJスタジオを訪れると、

草食系の小栗旬っぽいスタジオマネージャーが迎えてくれました。

 

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ASJのスタジオマネージャーは、

施主と、施主に合いそうな建築家をマッチングしてくれる存在。

 

この時はまだ土地が決まっていませんでしたが、

小栗さんは丁寧な物腰で、建築雑誌等をめくりながら、僕たちが建てたい家のイメージをヒアリングしてくれます。

 

小栗さん「ちょうど『建築家展』を開催するので、よかったらお越しくださいね。」

 

 

おそるおそる『建築家展』にお邪魔すると、

ショッピングセンターのフリースペースに、数名の建築家ごとのブースが並んでいました。

施工事例のパネルや模型が展示されており、それを手掛けた建築家先生が実際にいらっしゃいます(物怖じ)。

 

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小栗さん「施工事例の好みも大事ですが、話しやすさの相性もやはり重要なので、気軽に先生方と雑談してみてくださいね。」

 

緊張しながら、ひととおり建築家先生とお話ししましたが、確かに意外とどの先生もかなり気さくです。

ハウスメーカー工務店の設計士さんと変わらない話しやすさ。

 

 

その中でも特に、施工事例にも人柄にもときめいた先生が1人いました。

アジカン後藤正文似の「ごっち」先生。

 

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施工事例に、深くて大きい軒の家がいくつかあったのが印象的。

その軒が作る中間領域が、アウトドアリビングを望む僕の心を掴みます。

 

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何より、人柄というか雰囲気が、なんだかとても素敵です。

単に腰が低いとかそういうのではなく、饒舌でもないですが、建築に対しても人に対しても謙虚で純粋そうな、優しい空気がにじみ出ています。

好きや…笑

 

 

あれ…これもう、ごっち先生に決まりでよくない?笑

 

 

今日の一曲:未来の破片/ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

「ASJ」編 第01話 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン

 

家づくりの依頼先は、一般的に3つに分かれると言われています。

ハウスメーカー(Su社、ハ〇ム、M社と検討)

工務店(R社、Y社、Si社と検討)

③建築家

 

 

 

2016年04月に住宅展示場見学からスタートした家づくり。

1社と行き詰ったら次の1社、という流れではなく、

最初から上記数社を並行して検討を重ねてきました。

 

 

だから、4月~10月の半年間、平日も含め、ほぼ毎週末どこかの会社と打ち合わせ。

1日3回転(3社)という日もざらで、さすがに苦しい時もありました笑

 

 

 

③建築家は、設計料が高く、「先生の作品」として僕たちの住みやすさは重視されず、デザインも個性的を通り越した「奇抜」なのになったらイヤだな笑…というイメージで、敬遠ぎみでした。

 

それよりは、センスが好きな工務店等で、自分たちでもある程度デザイン・間取り・仕様等の勉強もすれば、満足する家は建つと思っていました。

実際、最も契約に近いSi社であれば、90点は出ています。

(残り10点は、Si社の問題ではなく、「ある違和感」で挙げたような、土地や予算の制約によるものです。)

 

しかし、あえてネガティブに考えれば、完全自由設計で、これだけいろんなプロと時間をかけても、人生で一度しかない数千万円の買い物なのに、やはり100点は無理なのか…というもやもやもあります。

 

 

そんな中、2016年9月、最後の1社からのファーストプランが出そろいました。

 

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ASJ(アーキテクツ・スタジオ・ジャパン)。

 

日本中(ほぼ全員?)約3,000名の建築家が登録しているネットワーク。

その窓口(スタジオ)に行けば、施主の要望に合いそうな建築家をマッチングしてくれるシステムです。

 

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(ASJから拝借)

 

スタジオは全国に180個点在。

県内にも、工務店「N社」の一部署として、ASJのスタジオはありました。

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(ASJから拝借)

 

 

さんざん苦手意識もあるくせに、せっかくなので一応「③建築家」という選択肢も作ってみていました。

 

話聞くだけなら、命まではとられないでしょう笑…。(←ビビりすぎ)

 

 

今日の一曲:海 その愛/加山雄三 feat.水曜日のカンパネラ

 

第3の住人 ムニ

 

たまにふらっと寄ってみるデート場所の一つに、ペットショップがありました。

具体的に「飼う(買う)」目的は無く、子犬や子猫を見て癒されにです。

 

 

僕はそれまで犬派だったんですが、

ぐーさんがかなりの猫派のため、僕も猫の魅力が少し分かってきました。

 

猫のダックスフントマンチカン』。

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「ちくわ」で有名な『エキゾチックショートヘア』。

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また、ぐーさんは、キレイでクールな感じの猫も好みだったので、例えば『ロシアンブルー』。

(正直僕は、クールなタイプは少し苦手ですが…笑)

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2017年6月11日(日)

 

家づくりの打ち合わせまで時間つぶしに寄った、ショッピングセンター内のペットショップ。

スコティッシュフォールドの子猫3兄弟がいました。

 

スコティッシュフォールドといえば、1、2を争う人気(定番)品種らしく、確かにこれまでどのショップでも見てきています。

ただ3兄弟の1匹は、クリーム色の長毛で、ちょっと珍しい雰囲気。

「羊みたいで可愛いね」と軽く釘付けになる2人。

 

とは言え、いつもどおり見るだけで店を後にして、その後も特に話にでることはありませんでした。

 

 

2週間後のある日。

 

ぐーさん「仕事帰りにショッピングセンター行ったとき、ついでに見たら、あいつまだいたよ。」

この時、少しほっと安心した自分がいることに気付きます。

 

ぐーさん「今住んでるこのアパートって、ペット「可」だよね…」

 確かに、これまで何度もいろんなペットショップで「可愛いねー」とか言ってましたが、「(売れてしまって)もう会えないのは寂しい」と2人ともが思ったのは初めてです。

 

それから数日間、2人でいろんなことを話し合いました。

僕は、以前飼っていた犬を、もっとお世話するべきだった後悔があること。

子供が独り立ちした後や退職後の方が、余裕があっていいんじゃないか。

子供やペットという同じ方向ばかり見過ぎて(良いことですが)、夫婦がお互いのことを見れてなかった、ということにはしたくない。

 

そして、2人で決断しました。

 

  

2017年7月2日(日)

 

ペットショップ「いらっしゃいませー。…あ、スコティッシュフォールドを気に入ってくれてたお客様。」

 

2人「この子を…お願いしますっ。」

 

帰宅したアパートの部屋で開けた段ボールから、ひょっこり顔を出してくれた時の感動は忘れません。

 

名前は、2人で決めていました。

ムニムニしてるから「ムニ」です笑。

 

ぐーさんとムニと一緒に、umiieでのんびりできる日を楽しみにしてます。

 

(強引な後付ですが、「Muni」の中にも「umi」入ってますね笑)

 

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今日の一曲:猫になりたい/スピッツ(covered by つじあやの

 

「Si社」編 第13話 ヒラコのクンロク(後編)

 

(「Si社」編の最終話です。)

 

 

自身のファーストプランを大幅に修正されたプライドからか、

純粋により良い家にするための指導からか、

なおも止まないヒラコさんのクンロク(説教)笑。

 

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ヒラコさん「東側にトイレや洗濯室配置してますけど、東側もファサード(通行人、来客から見える面)ですよ?」

2人「は、はい…。」

ヒラコさん「正式な設計図になれば表れてきますが、この間取りだとたくさんの縦樋や換気口がファサード側に出て、美しくないですよ?」

2人「お、おっしゃるとおり…。」

 

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ゴンさん「・・・」(無言)

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ヒラコさん「キッチン横にリビングだと、ソファーの耳元で、調理や洗い物の音がうるさいですよ?」

2人「た、確かに…!」

 

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ゴンさん「・・・」(助け舟出さず)

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ヒラコさん「玄関も、家族以外が居室の前を通ってくる位置にあるのが…」

2人(…もうええてー泣)

 

 

 

そもそもゴンさんは何故この「施主が直接クンロク入れられている状況」に無言を貫いていたのか?

 

ゴンさん「前回の打ち合わせではすみませんでした。」

2人「やっぱり、ヒラコさん怒ってたじゃないですか笑。…てか、あそこはSi社としてゴンさんから対応お願いしたかったですよ笑。」

 

ゴンさん「ウマさん達の到着前に、僕もヒラコさんに同じポイントで追い込まれたんですよ。」

2人「そうだったんですね。」

ゴンさん「…で、あまりにケチョンケチョンに言われたから、僕のこの3か月間の仕事を全否定された感じがして、あの日ずっとムカついてました。」

 

いやそれもこちらから見たらSi社の内部の問題ですし、

そもそも「目の前の顧客」より「自分の仕事のやりがい」を優先してたんかい!笑

 

 

最小限の外部委託契約をしているだけのため、Si社としてヒラコさんを統率できないという、合理性を追求してきたゴンさん(Si社)が抱えるリスクが表面化した状況です。

 

ゴンさん「ヒラコさん、ウチ(Si社)を最近かなり後回しにしてて、たまに来てくれたと思ったらあれだったし。」

ゴンさん「あとあの人、僕の会社のこといまだに「N社」って呼ぶし。」

 

※「N社」…Si社の母体の老舗工務店名。

Si社は、ゴンさんがN社内で立ち上げたプライベートブランド。「西友」の「無印良品」みたいな。

 

僕を、Si社チルドレン(仲間)と思ってくれているのなら光栄ですが、仮にも一応「顧客」に会社内部の愚痴を言われても…。

 

満を持して2人は心の中で叫びました。

 

(知らんがな!!)←リアルに笑

 

 

今日の一曲:夢見るバンドワゴン/andymori

 

「Si社」編 第12話 ヒラコのクンロク(前編)

 

2016年11月17日(木)

 

 

いつもの打ち合わせ用のカフェには、すでにゴンさんとヒラコさんが待っていました。

 

2人「お久しぶりです。」

ヒラコさん「どーもです。」

ゴンさん「・・・。」

 

あれ…あまり良い空気ではありません汗

 

 

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自分のファーストプランと、最新版の間取り図を見比べているヒラコさん。

黙っているゴンさん。

 

 

ヒラコさん「ウマさん…ファーストプランから、相当変えたんですね。」

2人「え…あ、はい(怯)」

 

ヒラコさん「南側の屋外ランドリールーム、なんで無くしたんですか?(威圧)」

ウマ「ええと…2人とも「完全室内干し派」なので、その広さをLDKに回す方がありがたいかなと思いまして(汗)…」

 

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ヒラコさん「じゃあ、せっかくトップライト付にしていた屋内ランドリールームを2Fから1Fに下ろした理由は?(尋問)」

ウマ「えーと…汗」

(いろんな要素が絡んで2か月前ぐらいの変更だから、正直はっきり覚えてないっす…)」

ゴンさん「…(無言)」

 

ウマ「あ、「洗濯機回す→干す」さえ分離していなければ、2F風呂と離れてても大丈夫かなと思ってと、トップライトより陰干しの方が服にいいかなと思って、でした。」

ヒラコさん「…日光がないと、風と除湿だけでは洗濯は不十分ですよ?」

ウマ「…おっしゃるとおりだと思います。」

 

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(イメージ)

 

 

・・・

 

あの…

ちょっといいすか?

 

 

この3か月間、ゴンさんの責任・監修の下で、こちらも施主なり素人なりに必死で検討してきた最終形プランなんです。

 

それを、途中のアドバイスならまだしも、最終形のタイミングでふらっとSi社及び顧客(施主)の検討結果を否定してこられても、知らんがな!笑

 

 

ゴンさんも、ヒラコさんとの調整が必要だったんなら、事前か途中に適宜済ませておいて、施主にはあくまで「Si社」としての統一的な見解を出してほしいっす!

 

百歩譲っても、今日のこの場で、ヒラコさんが直接施主(僕たち)を追い込むのは、Si社としてかばって、ゴンさんから責任もって代わりに説明してほしいっす!笑

 

 

願いは虚しく、なおもヒラコさんのクンロク(説教・追い込み)は続くのでした…笑

 

 

→続く

 

 

今日の一曲:riot/木太聡

 

「Si社」編 第11話 ある違和感(木造の限界)

 

ここまで挙げておいて、もはや「違和感」ではなく「不満」と思われるかもしれませんが、そうではありません笑。

ここまでの5社では唯一、間取りが詰め切れ、リアルに契約を考えるところまで辿り着いた、Si社だからこそのマリッジブルー的な段階です。

不満ではなく、契約前に承知しておくべき「妥協点」「留意点」と言えばいいでしょうか。

 

 

3つ目の違和感は、LDKの大開口。

 

 

先に断っておくと、これはSi社に対する違和感ではありません。

完全に、僕たち側の予算の問題です。

 

 

ゴンさんと間取りや構造を打ち合わせる中で、

海を眺めるLDKの大開口はおそらくこういう感じになりそうだとイメージしました。

 

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(イメージ/画像拝借)

 

十分ありがたい景観と開口ですが、細かく言えばやはりまだ一般住宅感は少しぬぐえません。

(自分たちが一般住宅を建てようとしているのだから適正な結果ですが)

 

 

勝手な理想だけで言えば、窪田勝文先生のI-HOUSEのような…(小声)

 

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(窪田勝文設計事務所から拝借)

 

 

もう一度、Si社と作り上げた自邸LDKのイメージに戻ってみます。

 

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(イメージ/画像拝借)

 

イメージ画像は「垂れ壁」がありますが、Si社とのLDKは床から天井まで全て開口なので、やはり十分贅沢な景観です。

 

 

ただ、身の程をわきまえず欲を言えば、小川晋一先生のLakeside-Houseのような空間を夢見てました…(小声)。

 

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(小川設計事務所から画像拝借)

 

 

繰り返しになりますが、Si社の技術やゴンさんの提案力等の問題ではありません。

上記2建築は、決定的に「鉄筋コンクリート造(RC造)」だからおそらく成立している開口。

完全に、一般的な予算で木造住宅を建てようとしている、僕たちの(予算の)問題です。

 

 

そうやって心のどこかで引っかかり、でも仕方がないと割り切りながら、Si社と仕様等の打ち合わせを進めていきます。

 

2人「これだけ色々細かく決めてますが、契約はまだ更に先の話でいいんでしょうか?(恐縮)」

ゴンさん「いったん全部の仕様決めて、正確な見積額等にOKいただいてからで大丈夫ですよ。」

Si社の契約方針もあると思いますが、ゴンさんは要所で、Si社イズムにかぶれている僕に対して信用というか「ウマさんはもう絶対ウチで建てるでしょ」的な余裕があります。

 

ある日。

ゴンさん「次回の打ち合わせは、ヒラコさんも同席するのでも構いませんか?」

2人「ファーストプラン以来、3か月ぶりですね。」

 

ヒラコさんはあくまでSi社内のデザイナーではなく、Si社にファーストプランだけ提供するという一部(外部)デザイナーの位置づけなので、もう出てこないと思っていました。

ゴンさん「ウマさんの家は景観もいいから、仕様等もヒラコさんなりのイメージを伝えて、より良い建物にするチェックも兼ねたいようです。」

 

2人「ヒラコさんのファーストプランの面影残っていませんが、大丈夫ですかね?笑」

ゴンさん「大丈夫ですよ、ヒラコさんはあくまでファーストプランだけの契約で、基本的にはSi社とウマさん達の間の家づくりですから。」

 

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嫌な予感のとおり、次回は「ヒラコの説教部屋」です笑。

 

 

今日の一曲:tuuli/木太聡

 

「Si社」編 第10話 ある違和感(前の家)

 

 ある違和感の2つ目は、「前の家」問題です。

 

 

僕たちは、海から2区画目の土地。

1区画目の「前の家」は、将来いずれ後から建つ予定。

 

この時点でも改めて、1区画目の土地の所有者の方に、家を建てる計画は進んでいるか(もしくはどんな家を建てる予定か)を確認しましたが、やはり「全て未定」とのこと。

 

だから僕たちとSi社(全ての他社も)はとりあえず、海に対して「横」に目いっぱいの間取りにしていました。

 

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「前の家」が将来建った時、イメージしていた海の眺めが無くなるリスクを少しでも減らす保険として、

僕とぐーさんは「高さ」を考えました。

 

 

【現状】

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極端な話、3階建てにして3Fリビングにすれば結構いけそうですが、そこまで大胆な路線変更には腰が引けます。

 

そこで、「少しずつ高くした2階建て」を考えました。

例えば、以下3要素を30cmずつ高くして、合計1m高くした2Fリビングです。

 

①土地の高さ(盛り土で?)

②建物基礎の高さ

③1Fの天井高(通常240cm)

 

【リスク減案】

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中途半端な素人考えだとは思いますが笑、手を打たないよりはマシかなと。

 

2人「この、ちょっとずつかき集めて高くする案(笑)、どうでしょうか?」

ゴンさん「まあ、可能だとは思います。」

 

ただし、

①土地の高さを上げるのは自治体に対して再申請が必要になる可能性

②③建物は細長くなるほど不格好に見える

等の注意点を示されたので慎重に検討することに。

 

 

ゴンさんもさすがにこの問題に対しては、

(「前の家」が気になるのも十分わかるけど、正直どうしようもないし、全く海が見えなくなることはないと信じましょう。)

ぐらいのテンションだったと思います。

 

これはSi社に限らず、他社も全てそんな感じでした。

僕たちもこれはやっぱり仕方がないよねと言い聞かせながら、

Si社との打ち合わせは、契約の一歩手前まで進んでいきました。

 

 

今日の一曲:past/木太聡

 

「Si社」編 第09話 ある違和感(ファサード)

 

間取り、デザイン、性能、価格…

数社を比較させていただいた中での総合1位は、Si社で間違いなさそうです。

 

それでも2人の中でもやもやが一切無いわけではありませんでした。

 

 

ある違和感の1つ目は、「ファサード」(建物の正面・顔の部分)。

 

 

Si社の最大の魅力の一つは、線や無駄を徹底的に洗練させた(特に正面からの)外観の美しさです。

 

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(イメージ)

 

ヒラコさんのファーストプランももちろん、

設計担当のゴンさん、施主の僕たち2人とも、外観を気にしながら窓の大きさや位置等を決めてきました。

 

だから海と反対側(南側)の外観は、十分満足のシンプルさです。

 

【南側】

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しかし、僕たちの家の「ファサード」(正面・顔)は、「北」側です。

下図のとおり、道路を通る人からは家の「北」側しか見えません。

 

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しかし、「北」側は「海」を眺めることを優先する面のため、

どうしても大窓、ベランダ、浴室の窓、寝室の窓等、いろんな開口ラインが現れてしまっています。

 

【北側】

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不満があるというほどではありませんが、

Si社(ヒラコさんデザイン)の家のファサードとしては、少し洗練さが足りていないのが残念です。

 

 

そういえばYじい自邸は、リバービューの大開口があっても、ファサードはシンプルでした。

何が違うんだろうと思い返すと、道路→家→その向こうに川(海)がある位置関係だったからだと気づきました。

 

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(イメージ)

海側の大開口が道路から見て「裏」にあるので、道路からの「顔」(ファサード)は洗練されています。

 

 

でも、土地と海の位置関係は、今更言っても仕方ありません。

他社ももちろん、Si社でさえも、それはどうしようもないことだと、2人は消化することにしました。

 

 

今日の一曲:Waltzer/木太聡

 

「Si社」編 第08話 1Fの最終形

 

2F間取りが大幅に変わった(特に階段の位置)ため、

1F間取りも連動して修正することに。

 

【ヒラコさんのファーストプラン】

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Si社と僕たちの家は車で1時間以上離れているので、

ゴンさんとの打ち合わせはいつも中間の町のカフェで。

 

ウマ「いっそ玄関の位置も変えて…」

ゴン「そうですね。(カリカリ…)」

 

ぐーさん「トイレは1個でもいいかも…」

ゴンさん「ふむふむ。(カリカリ…)」

 

ゴンさん「洗濯室も1Fに下ろしてもいいかもしれませんね。」

2人「うんうん。」

 

 

何回打ち合わせしても階段の位置1つなかなか変えてもらえなかった他社、

契約後でないとファーストプランが見れない他社もあった中、

ゴンさんはその場ですぐに方眼紙に何度も何度も書き直してくれ、

目の前で何度もいろんな僕たちの家が建っていくこのスピード感。

消しカスの掃除がカフェに申し訳ないほどです笑。

 

3人「あーでもないこーでもない…」

 

何回にもわたる打ち合わせの末…

 

ゴンさん「…これ、めっちゃ良いんじゃないですか?」

2人「この間取り図、携帯電話の待ち受けにしたいぐらいです笑。」

 

1Fも、Si社との最終形に辿り着きました。

 

【ゴンさんとの修正後】

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申し分ないほどの収納量。

各室の適度な距離感(主寝室・子供部屋・トイレは隣り合ってない方がお互い落ち着く等)。

玄関からは生活感が覗かない、ホテルのような一直線の廊下。

 

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(イメージ)

 

2人「1Fもファーストプランと別ものになってますが、ヒラコさん怒らないですかね笑」

ゴンさん「大丈夫です、ヒラコさんのファーストプランが素晴らしかったからこその、この間取りです。」

 

 

2Fも1Fも、他社と比較しても一番素敵と思えるファーストプランでした。

そこに更に2人の要望を盛り込んで、文句が無いと言える最終プラン。

見積額も、十分標準かそれ以上の構造・建材を使用しながらも、他の工務店と同等の適正な金額。

これだけの条件が揃ってもまだ新たに別の会社に可能性を求めにいくようでは、一生家は建てれないかもしれません。

 

 

そのはずなのに、2人の心の底には、まだ何か引っかかるものがありました…。

 

 

今日の一曲:千%/KICK THE CAN CREW